『趣味を仕事にする』というのは難しいことですが、もしその夢が叶うとしたらどうでしょう。趣味の教室に通う生徒から、自分が人に教える講師の立場になってみたいとは思いませんか?
そんな『趣味を仕事にしたい』を実現するためには、資格を取得することをおすすめします。数多ある趣味の中から、ここでは刺繍に関する資格を取り上げてみたいと思います。
刺繍を趣味にされている方におすすめなのが、アドバイザー、インストラクター、師範などと呼ばれる刺繍に関する資格です。
これら刺繍に関する資格について、人気のあるものを徹底比較としてご紹介していきますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
目次
人気 刺繍アドバイザー
刺繍アドバイザーは、日本生活環境支援協会が主催する民間の認定資格です。
刺繍アドバイザーの認定試験には受験資格は特になく、誰でも受験することができます。
受験申込みから実際の受験まで、全て自宅で行なうことができるので、忙しい方でも受験しやすい資格です。
試験内容としては、フランス刺繍、コード刺繍、リボン刺繍、ビーズ刺繍、ミシン刺繍、刺し子、クロスステッチ、ニードルポイントなど、多くの種類の刺繍についての知識を問われます。それぞれの刺繍図案の描き方から実際の刺し方までの知識、針や糸の扱い方、ミシンその他、必要な道具の知識や刺繍を活かした作品づくりなど、刺繍に関する様々な問題が出題されます。
刺繍アドバイザーという名前の通り、自分が理解した知識を他の人にアドバイスできるようになることを目指す方におすすめの資格です。
資格取得後は、カルチャースクールの講師になる、自宅で教室を開くなど、努力次第で活躍の場が広がることでしょう。
刺繍デザイナー
刺繍デザイナーは、日本インストラクター技術協会が主催する民間の認定資格です。
こちらの資格も受験資格は特になく、誰でもチャレンジ可能です。試験は年6回、偶数月に行われます。
受験申込みはインターネットから行い、認定試験は在宅受験となります。解答用紙は試験期間中に郵送で提出し、合否判定がなされます。
合格するには、フランス刺繍、クロスステッチ他、様々な刺繍に関する知識が必要です。刺繍の技術以外にも材料、用具に関する問題も出題されます。
また、オリジナルの図案や構図を作成したり、配色デザインを考えるための基礎的な知識も必要となります。
資格取得後は刺繍デザイナーとしてカルチャースクールや自宅教室で講師として活動することができます。また、材料や用具の知識を活かして、クラフトショップへの就職や手芸店を開くなどの道も開けます。
戸塚刺しゅうの師範資格
戸塚刺しゅうの師範資格は、戸塚刺しゅう協会が独自に認定する資格制度です。
ハンドクラフトに興味のある方なら、戸塚刺しゅうの名前を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
戸塚刺しゅう協会は1952年に創設された、60年以上の歴史をもつ由緒ある団体です。国内に60支部、海外にも2つの支部があります。戸塚刺しゅう協会では他の資格試験とは異なり、日本の伝統的な習い事と同じ師範制度を取り入れています。
戸塚刺しゅうは、戸塚刺しゅう協会の会員として登録し、各地にある教室で技術を学びます。趣味として楽しまれる方がほとんどですが、自ら師範となり、カルチャースクールの講師になったり、自分の教室を開くことを目標に、戸塚刺しゅうを学んでいる方もいらっしゃいます。
師範を目指す方は、一般の教室とは別に『資格取得クラス』の講習を受ける必要があります。資格取得クラスの講習会は毎月、戸塚刺しゅう会館と戸塚刺しゅう東京教室の2ヵ所で開催されています。
師範になるためには、初級、中級、上級と段階的講習を受け、資格を取得していく必要があります。上級を取得後に師範会員として登録することで、師範の資格を取得したことになり、様々な活動ができるようになります。
日本手芸普及協会の刺繍師範資格
公益財団法人 日本手芸普及協会でも刺繍師範の資格を取得することができます。
日本手芸普及協会の刺繍師範になるには、まずは刺しゅう講師になる必要があります。刺しゅう講師は『区限刺しゅう講師』『白糸刺しゅう講師』『ステッチ100刺しゅう講師』の3つに分かれています。
それぞれの講師になるためのコースには4つの段階があり、本科、高等科、講師科、指導員とステップアップしていきます。
指導員を終了した段階で、それぞれ刺しゅうの種類ごとに特化した講師として活動することができますが、さらに上を目指す人のために、『刺しゅう師範』の資格が設けられています。
刺しゅう師範の資格を取得するには、『区限刺しゅう講師』『白糸刺しゅう講師』『ステッチ100刺しゅう講師』の3つすべてを取得し、さらに『師範養成講座』と『指導者のためのアドバンスプログラム』を受講することが義務付けられています。
日本手芸普及協会の刺しゅう師範は、刺しゅう部門のトップとして、講師を指導するのが主な役割となります。
カルチャースクールの講師や自分の教室を開くのであれば、『刺しゅう講師』の資格があれば十分でしょう。