音楽を使って人の心を癒す。それが「音楽療法」と呼ばれる仕事です。音楽には言葉は必要ありません。音楽を聞くこと、体でリズムを感じること、歌を口ずさむことが出来ればどのような人でも音楽に親しむことが出来ます。耳が聞こえない人でも、音楽が醸し出す振動を感じることで、音楽の力を享受することが出来るのです。
音楽療法は心理療法の1つです。しかし、セラピーを受けることが出来る対象者は心理療法よりもはるかに幅広くなっています。事故や病気で上手く話をすることが出来ない人や、言葉がまだ発達していないお子さんや、認知機能が低下してしまった高齢者まで、多くの人を対象とし、音楽の力で心を癒すことが出来る音楽療法。ストレス社会と言われている今、その需要がとても高くなっています。
音楽療法は、音楽にだけ精通していても、心理療法にだけ精通していても専門家とは言えません。音楽の力をいかに人の心を癒す力に変換することが出来るのかがとても重要になってきます。そのためには、音楽に関する深い造詣に加えて、人とのコミュニケーションの能力や基本的な心理面接の方法など、様々な専門的知識及び技術が必要となってきます。
昨今、音楽療法の効果が学術的にも確認されてきており、音楽療法の重要性が改めて注目されています。音楽療法士として働くためには、まずは資格を取得していきましょう。いわゆる「音楽療法士」と言われている資格があるのですが、実はこの資格が音楽療法士に必須という分けではありません。もっと手軽に音楽療法士としての資格を取得して、専門家として働くことが出来る資格があるのです。今回の記事ではそんなお勧めの資格について徹底比較でお伝えしていきたいと思います。
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人気:メンタル心理ミュージックアドバイザー
メンタル心理ミュージックアドバイザーは、日本メディカル心理セラピー協会が認定している資格となります。音楽に関しての基本的な知識、音楽が人の心に影響を及ぼすメカニズム、どの種類の音楽が人の心にどのような影響を与えるのかという知識から、実際の音楽療法で使用される楽器の使い方や発声方法などの実技的な部分まで、専門家として現場で働く際に必要な知識を身に着けていることを証明する資格となっています。この資格を取得することで、福祉・医療・介護など様々な分野で音楽療法士として活躍することが出来ます。
この資格は自分で勉強をして試験に挑戦し、受験に合格することが出来れば誰でも取得することが出来る資格です。経験年数やそれまでの経歴なども問われません。試験は在宅で可能であり、年に6回開催されています。費用は1回10000円で、低いコストで資格に挑戦することが出来ます。通信講座も充実しており、自分一人で勉強することが不安な人にも十分なサポート体制が整っています。この資格は、取得が容易でその後の仕事につなげることが出来るため、仕事として考えたい人にはとてもお勧めの資格となっています。
2位:音楽療法カウンセラー
音楽療法カウンセラーは日本インストラクター技術協会が認定している資格です。こちらの資格は音楽療法士を育てる「インストラクター」としての知識や専門性、指導力などを兼ね備えていることが問われる資格となっています。もちろん、高い専門性を持つことを証明してくれるので、臨床場面で音楽療法士として活躍することが出来る資格となっています。初めて音楽療法に触れるような人は、人気として紹介した メンタル心理ミュージックアドバイザーから挑戦することをお勧めします。
音楽療法カウンセラーも在宅で資格に挑戦することが可能です。特に受験資格は設けられておらず、誰もが挑戦することが出来ます。試験は年に6回開催されており、自分のペースで挑戦することが可能です。費用も1回の試験に10000円とリーズナブルな費用になっています。インストラクターとして自宅でスクールを開くことも可能であるこの資格は、幅広い形での働き方を提案してくれる資格となっています。
3位:音楽療法士
音楽療法士は日本音楽療法学会という学会が認定している資格になります。高校卒業以上の学歴を収めた後に学会が認定している認定校に進学し卒業するか、実務経験を3年以上経てから音楽試験に合格することが資格に挑戦する条件となっています。その後試験と面接を経てからの資格取得となります。
日本では一番有名な資格ですが、上位2つの資格と同じく民間の資格であり、資格の位置づけとしては変わりません。また、音楽療法士に挑戦するための実務経験を経るために、まずは上位2つの資格に挑戦して、実際に働くことが出来る場所を確保するというのも一つの方法だと思います。
経済的な面や時間の面など、自分に合った方法で資格の取得を目指してみてください。